2016年4月14日木曜日

ニャモヨ通信11号



TOPICS
1.有機肥料の理想と現実
2.カロンガのひと~本は人を育てる~
3.ニャモヨの食いしん坊スナップ~あの季節がやってきた~
4.編集後記


















~有機肥料の理想と現実~
3月上旬に有機肥料についての研修に参加することができました。この研修はSLMP※というプロジェクトが終了した後のフォローアップの一環です。なので、受講対象者はマラウィアンの普及員で、彼らに技術移転を行うことを目的としています。研修を通じて、マラウイで土地の保全が不可欠な背景やこのプロジェクトについての説明を受けました。3日目には実際に3種類の有機肥料を作成し、自分が農家さんに対してトレーニングを実施する上でも非常に具体的にイメージすることができたので充実したものとなりました。


マラウイの農業において、有機肥料を取り入れることは肥沃な土壌を維持するために不可欠ですが、実際に農家さんたちが手作業で一から肥料を作る一連の労力を考えると、有機肥料の普及は簡単ではないと実感しました。(まず干し草や藁を細かくし、それを少しずつ積み重ね、発酵させ・・・)

※正式名称:Sustainable Land Management Project


  Windrowという種類。(写真は作成途中のもの)
  この後女性の腰半分あたりまで材料を積み重ねて6-8週間発酵させます。


   Windrowの完成した様子。


 Bokashiという種類。糞と藁を混ぜる様子(手前が著者)                                                  自分の主な活動であるかまど作りを通じて牛糞への抵抗はなくなりました!笑 

 
  Bokashiの完成した様子。
  3-4週間発酵させます。


~カロンガのひと~
今回はカロンガに暮らす人々に憩いの場を提供している女性を紹介します。ネリーさんはカロンガのバス停近くでアイスクリーム屋さんを営んでいます。年中暑いカロンガでは、コーラ以外の冷たいものが必要で、この店を知る人は足繁く通っています。

 アイスクリーム屋の外観。よく見るとフォントが可愛い。


看護師になるため勉学に励む傍ら、学生時代から本を読むのを欠かさなかったそうです。看護師として数年務めた後、今の旦那さんに出会い、結婚を機にカロンガへ移り住みました。そして、旦那さんが南アフリカでビジネスを始めると決めた時、自分が今まで出会った本を通じてもらったエネルギーをもっと多くの人に届けるために、書店を開こうと彼女は提案しました。夫と一緒に南アフリカに渡り、夫と一軒ずつ書店を経営していました。南アフリカでの生活はいい面もありましたが、苦労も多かったようです。ここには書けないような恐ろしい体験もありました。
現在はアイスクリーム屋を経営していますが、これからの目標について聞いてみました。当面はマラウイでビジネスをしていきたいようで、今年中にカロンガで書店を開くことを目指していると話してくれました。インタビューを通じて、自分が影響を受けた本についていきいきと語る姿が輝いて見えました。

笑顔がチャーミングなネリーさん









~ニャモヨの食いしん坊スナップ~
3月の終わり頃からカロンガのマーケットでは、マンダリンというみかんが出回り始めました。
日本のみかんと似ているので、私はいつも喜んで買って帰ります。
左側がマンダリン、右側がバオバブです。バオバブの外側はとても固いのですが、
マラウイの人はスプーンなどで中身をほじくりだして食べています。
ちなみにカロンガは年中暑いので、フリージアというジュースを
ビニール袋に入れて凍らせたものがいつでも手に入ります。
その中で、バオバブのパウダーを水に溶かした味が結構好きです。
昔懐かしい駄菓子屋で売っていたものをイメージしてみてください。



タンザニア近くの町で売っていた梨

【編集後記】
残りの任期が9か月となりました。先輩後輩隊員や調整員の方も入れ替わり、着実に時は流れていますね。ここで出会えた人との縁を大切に今できることを一つずつやっていきたいと思います。

先日、TOEFLを受けようとしたのですが、本部とのやり取りが上手くいっていなかったようで会場で待たされた挙句、再受験することになりました。他の国でもあるのかな?
その帰りのバスで読んでいた本が日本の「曖昧」である文化を色々な視点から掘り下げていて興味深かったです。中でも、「アメリカ方式の経営では、トップの予測とその設定能力が最大決定要因であり、そこから下される命令を理解して忠実にそれを実行できる社員が求められる。」一方で、日本方式経営は「環境や状況の変化に応じた動きを自動的につくり出していく」システムを個々の社員が担っているそうです。具体的には、システムの不具合が起こった時に、日本人だったら「必ず誰かが自主的に対応していただろう」と考える人が多いということでした。組織を二分して一様に見なすことは危うい見方でもありますが、自分の状況を客観視できない自分がいました。せめて事前に通知してほしかったという言葉を飲み込んで、任地に帰りました。
参考:「日本の曖昧力」 著:呉善花 PHP新書


~おまけ~

最近作ったチテンジのズボンを鏡がないので写真に撮ってもらいました。
マラウィアンの同僚から不評なんですが…どうでしょう?






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